学芸員という生き物について

博物館で生業を立ててる人のはなし。

愚痴しか出ないわ

勤務館の休館が結局5月31日までとなり、ひとつ展覧会がそのまま終了という扱いになった。こんな経験は初めてである。子ども、特に女児向けの内容だっただけに、楽しみにしていた子たちはたいそうがっかりしているだろうなと思う。申し訳なさでいっぱいだが、この辺の感情は非常にややこしくて、わたしが申し訳なく思ってもどうしようもない部分もあるし、でも休館して感染爆発は防ぎたいし、しかし展示は見てほしいし…というのが3つも4つも重なっているからややこしくて仕方がない。あまり考えないようにしていたが、1か月延長が決定したとなると話は別だ。展覧会を楽しみにしていた子たちのことが頭から離れない。

休館であるとはいえ、つぎの展覧会の準備も進めなければならず、仕事は普通にあるので出勤する。人気のない博物館は少々不気味だが、慣れれば逆に静けさが心地よく感じられる。もっとも、最近は妻とばかり話していたので職場で他の人としゃべる機会があるのはありがたい。何というか、同じ人とだけしゃべってたらマンネリ化じゃないけど、話題もだんだんなくなってくるからな。

自分の担当する展覧会は無事に開催できるのだろうか。通常だと夏休み期間に該当する7月8月を会期に設定しているのだが、世間的にはその辺まで学業を入れるとかいう話なので入館者数は伸びないだろうし、そもそもそれまでにコロナ騒動が収まっているのかも分からない。ワクチンとか薬の開発が進めばいいが、進まない可能性だってあるわけだし、まだまだ先が見えなくて嫌になる。嫌になるが仕事はしなきゃだし。何だろな、前にもまして愚痴しか出ないわ。