学芸員という生き物について

博物館で生業を立ててる人のはなし。

企画はそう簡単に出るもの、じゃない

展覧会を含めた博物館全体の企画を練ってるのだが、いまいちびしっとしたものができない。やりたいこととできることの間には越えられない壁のような、ミュール地帯に突然現れて大変なことになっているクレバスのような、とにかく近いのに遠いみたいな、相反する関係性が生じる。

いつもそう。

予算度外視すればやりたいことは簡単に達成できるが、リソースは有限でありマネーも基本的には有限なのでできることはやりたいことの半分、最悪1割程度しかできない。半分もできればいい方なのはまあ、間違いないだろう。

のっけからややこしい話だが、答えはいたってシンプル。何も浮かばないのであえる。

「予算がいくらまでOKなのか明示されていない」「方向性すら不透明」。こんな状況なのによくもまあ「企画考えといて!」という指示が来たものだと若干あきれている。できるできないは別にして、こういう方向性で予算はどのくらいで、というものがないと意味がないのだが、上の方はそうじゃないらしいからよくわからない。

なので腕をまくったはいいものの、ぶらぶらさせてるような状況。そう簡単に企画が出るはずもないのに、もう少し時間があればより練ったものが出てくるのだが、明日がその会議らしく時間もないので絶望的状況。

あーあどうしようかな。あまりネガティブなことは言いたくないのだが、気持ちは落ち込み気味。乗り気になれる何かがあればなんだけど。