学芸員という生き物について

博物館で生業を立ててる人のはなし。

いい加減くらいがちょうどいい

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というと、相手をバカにしているようで非常に申し訳無いのだが、テレビの取材を受けるたびにそう思う。中には真面目な人もいるんだけど、「仕方なく来ました」感を出してくる人もいる。ネタが無かったんだね、そうなんだね…だからといってそういう表情はやめようね、とついつい言いたくなるのだが、大人なのでやめている。

何しろ、これから毎回顔を合わせてあれこれ議論しながら番組を作っていくのならともかく、ぱっときてちゃちゃっと撮影してぶーんと帰っていく、そういう人達に真面目に相手しててもねえ…と。しかも放送されるかどうかも分からない。

NHKくらいだよ、真面目に3時間取材して放送0分とかやってくれるの。こっちの対応時間を返せよって思うけど、時間はさすがに返ってこないからなー。

なのであるときから割とガチな対応では無く、どこか気を抜いた感じでやってる。手は抜かないようにしているけど(自己申告なので端から見たら違うように取られてるかも)。

だいたい、こちらの善意を踏みにじってくる「(無意識の悪意の入った)善意」を持ってるような連中がテレビの人には多いから、真面目に相手するとバカみたいで。相手を無意識のうちに見下してるみたいな。さすがに「こっちはテレビ出して宣伝してやってんだから」みたいなこと言う人は最近は見かけないけど(態度で示す人は大勢いる)、「何かこのほかに面白いの無いっすか?」とか「あーあんまり興味沸かないかもしれないっすねー」とか平気でいう人はいる。ディレクターよりカメラマンに多いかな。

そもそもこっちはノーギャラ。ノーギャラなのになんでテレビの人の期待に沿った発言・行動をしなきゃならんのだ、とも思う。勝手に台本作ってくるくせにね。

放送している番組ってだいたいいい加減じゃない。間違った内容放送していても訂正してお詫びしますの一言で終わりだし、制作会社の誰かの首が飛ぶくらいだからテレビ局も気楽だし。BPOの案件にそう簡単にならないからやりたい放題だし。

いい加減な番組を皆真面目に見てることの方が怖いよ。店頭からバナナが消えたりヨーグルトが消えたりキクラゲが消えたり。『アムロリフレイン』の歌詞じゃないけど、編集の過程でどれだけ削り落とされてつぎはぎされているか。「そんなものに何の意味がある、何を伝えてくる?」と言いたくもなる。なので見る方も話半分、いい加減にするのがちょうどいいんだと思う。

 

といういい加減な日記。