学芸員という生き物について

博物館で生業を立ててる人のはなし。

中高生ってミュージアムに来るのかな

ヴンダーカンマー ここは魅惑の博物館

そもそも論だけど、中学生・高校生ってミュージアムに来るのかな。その点がすごく気になってて、今のところの自分の課題の一つ。といっても、おそらく各ミュージアムでの共通の話題だと思う。

美術部とかだったらまだ美術系のミュージアムにいく生徒もいるだろうし、恐竜とか生物系、歴史系もいるのかな。そういうミュージアム少年少女たちもいることはいるんだけど、絶対数はかなり少ない。

そういう連中は学校では得てして「変わり者」扱いされていることがままある。わたしもそうだったからよくわかる。

んが、ミュージアムは学校ではないから、ウェルカムなのである。むしろミュージアムの人間から言えば、そういう学校にあんまりなじめない感じの人こそミュージアムに来てほしいと思う。

問題は多くの「変わり者」とされない、学校の中での「フツー」とされる少年少女たちとミュージアムの接点なのである。彼ら彼女らに対して、ミュージアムはどのくらいコミットできるのか。

本屋のように雨が降ってきたからちょっと立ち寄っていこうとか、何もすることがない休日にちょっと行こう、みたいな「ちょっと寄り道」じゃないけど、そういう感覚で立ち寄れるような場所であったらすごくいいのだけれど、館として構えているうえに入館料を徴収する、いかつい場所のように思われているのか、足は向かないようである。

ちなみに勤務館は中学生以下無料、高校生は高校生料金(大人の7割ほど)なのだが、そのことについてどのくらい知られているのか案外知られていないかもしれない。

知られていないのはミュージアムのPR不足、怠慢としか言いようがない。構えていればやってくる、という時代ではないのであるとはいうものの、出前授業とかそういうのでうまく接点ができればいいが、それすらない場合はどうしたらいいだろう。結論が出せずにいる。