学芸員という生き物について

博物館で生業を立ててる人のはなし。

「なんでこの仕事してるんですか」純粋な疑問が心を打ち抜いた…!

中学生の職場体験学習でも同様の質問を聞かれたりするんだけど、これが大学生の学芸員実習生からだと割と辛い。お給料の話とかそういうのを触れるのですごく興味深く聞いてもらえるんだけど、それだけ不遇なのになんで学芸員の仕事してるんですか、と純粋に聞かれる。

そういわれてもなあ自分でもなぜなのか分からんというのが正直なところ。

博物館が好き、というのもあるし、昔から古いものとか文化的なものが好きだったから、今でもこうやってそれに関わる仕事をしてるんだろう。あとは研究をすること、調べたり考えたりすることが好きだというのがある。頭悪いけど(いろんな学芸員と会うと己の頭の悪さに毎回辟易する)。

小学生の頃は恐竜が好きで、中学生高校生は歴史が好きで。高校の時の担任に「学芸員っていう仕事あるよ」って教えてもらったのが全ての始まりな気もする。この辺の記憶はだんだん曖昧になってきてるけど、でも「こういう仕事あるんだ!」って驚きとともにすごく楽しそうだと思ったなあ。

あとは博物館のことが全然分からないから、てのもある。可能性がある場所だし、いろいろ古くさくなってるところもあるし、非常に曖昧で魑魅魍魎が跋扈していて、なんかもういろんなことが出来るすごい面白い場所。でもわかんないことだらけなんだよ。それを知りたいから今も博物館界隈で働いているんだと思う。

そういうことを話すとね、だいたい分かったような分からなかったような「そ、そうなんですね」と曖昧な答えが返ってくる。

 

悲しいのう悲しいのう。