学芸員という生き物について

博物館で生業を立ててる人のはなし。

独自ルールおじさん

受付の人から独自ルールおじさんが来た話を聞く。

また、である。

独自ルールおじさんとは、早い話「ええねんええねん、俺はマスクしなくてもええねん」という人である。なぜか高齢の男性に多く、対応に苦慮する場合が多い。

そもそも話が通じない。

新型コロナウイルスの予防、感染拡大防止策としてマスク着用をお願いしているが、独自ルールおじさんにかかれば「暑いからええねん」「なんでやねん」「みんな騒ぎすぎや、風邪みたいなもんやろ」「なんでわざわざそんなのせなアカンのや」という感じで全否定である。説明を聞く気すらない。

全くもって意味がない。

公共施設に勤めていると、そういう人が一定数いることに改めて気づく。そういう方がいるので「マスク着用をお願いします」的看板を作るという余計な仕事が増えるが、そういう人はそのような看板を見ないし、見ても全否定なのでどうしようもないのだ。

どうしたらいいのか分からない。

退館させようにも公共施設だからその辺割と大変だし。これから秋の行楽シーズンが近づくけど、こんな感じの独自ルールおじさんがあちこちに出てきそう。ため息しか出ない。

気の緩み以前の問題。

博物館実習が今年も終わった

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博物館実習が今年も終わった。今回も接点が1時間程度しかなく、学生たちと話すことがあまりなかったが、おとなしい学生ばかりだったような印象だ。おとなしすぎてやる気あるのか疑うレベル。

例年だと、必ず一人か二人はやる気にみちみちあふれまくった学生がいたり、積極的に発言してくるギャルっぽい感じや、ちょっとヤンチャ感のある人が音頭をとって実習に取り組んでいたのだが(最後は皆打ち解けて楽しく解散!てのが例年だった)、今年はそういうのもなく、皆淡々と「資格を取るため」だけに仕方なく実習を受けていたように見えた。こちらから問いかけても反応薄いし、何より学芸員として働きたい人という問いには誰一人手を挙げなかった。民間とか公務員になるとき、履歴書に書く資格のひとつとして取りたいような感じ。

そっかーそうだよね、現役の学芸員からしてみればそれはある意味正しい選択だと思う。なんせ就職先がない業界なので…それだったら民間や公務員で働くときにちょっとプラスとして見てもらえる資格と割り切って取るのもアリだと思う。

しかし話する側としては、やはり博物館に関わる貴重な機会なんだからもうちょっとやる気のあるとこ見せてほしいなあとも思ったりするわけで。この辺難しいね。しかも中心の担当じゃないから何とも口出しできないし。もどかしいことこの上ない。

来年も関われるだろうか。まだ分からないけど、関われるのであれば博物館で働く楽しさや大変さを知ってほしいと思う。

月並みな意見だけど。

しばらくバタバタしそうです

前回の記事を書いたのが70日前なのかー。

どうにかこうにか新型コロナにもかからず仕事をこなしているけど、住んでる自治体の新規感染者数はじょじょに増えてるし、何より勤務館では展覧会開催しているし、で、正直気持ちすり減らしながらの毎日です。

しんどい。

暑いからかマスク着用してない高齢者が多いし、注意しようにも「ええねんええねん俺はええねん、この先も長くないやろうし」とか言われる。いや、あなたが原因で広がったらどうするんですかね。そういう人が多くて変なところで疲れてます。

人手不足だから館内の整理にも出なきゃならなくて、そういうこともしなきゃならないわけです。感染リスク非常に高いところにいるんですわー資料見てあれこれできたらいいのにね。マスクは必着だし、消毒もしなきゃならない。ジェル状の消毒液を置いたら「これベタベタする」ってクレーム出る。今はどうにかエタノール系を入手することが出来るようになったけど、そのときはまだジェル状しか手に入らない時だっただけに「どうすりゃいいのよ」って困ってしまったです。 

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んで、今度は今度でそういうことをしてると「俺らはばい菌か」みたいなことを言われるし。公共施設あるあるかな、こういうの。とにかく自分の仕事以外の部分で気をつかうことが多くてへばってます。家に帰ったらだいたいふらふらになってる。

目に見えないものが相手だけにいろいろと気をつかいます。これからこういうのが続くのか…せめて内部の人だけでも増やして対応できる余力をお互い持てるように出来ればいいのにな。

 

とまあそんな感じです。まだまだしばらくはバタバタしそうです。

生産的なことをしたい、ぼやくんじゃなくて

時間ができたので自分の業績をちょっとだけまとめているんだけど、何というかこの10年間何してたんだろう感が半端なくてしんどくなってきました。ああ…もっと真面目に生きていくべきだった。とか書くと真面目に生きるとは何ぞや?とかいう話にも繋がってくるのでいろいろと面倒くさくなるわけで…

ああ、もうちょっと勉強できる時間が確保できればなあ…

そういうぼやき。ぼやくことしか最近できてないので、もう少し生産的なことをしたいと思います。はい。

生存しています

コロナのアレでどうかなることもなく、とりあえず無事に生きています。在宅勤務とかそういうのも終わって先週から通常勤務モード。在宅勤務中は仕事が一向に進まず大変でした。自宅に部屋はあるものの、ていうやつですね。部屋の片付けとかそういうイベントごとが入ってくるからどうしようもなく、家事とかそういうのをこなしていたらあっという間に一日が終わるような流れがメインでした。勉強する時間、もっと作らねばならんな…。

例のマスクは全く気配がありません。本当に送られてくるのかだんだん不安になってます。大騒ぎしてマスクひとつ届かないからどうなってるんだ、ていう気持ちの方が大きいよね。

仕事の方はというと、先日から開館していて、担当する次の展覧会の準備を急ピッチで進めているところ。まだあと1か月半はあるからと思うんだけど、新聞用の原稿とかの締め切りが来週だったり、何より印刷物の裏面の付帯事業が監修元から確認が取れてなくて進められずにいるからちょっと焦っています。まあ、監修元がコロナのアレで休業状態らしいので焦ってもどうしようもないんだけど、会期は迫っているからな、どうにか先に進みたいところ。

またぼちぼちと「緊急事態宣言後」の博物館の様子とかそういうのを書いていければいいなと思います。

愚痴しか出ないわ

勤務館の休館が結局5月31日までとなり、ひとつ展覧会がそのまま終了という扱いになった。こんな経験は初めてである。子ども、特に女児向けの内容だっただけに、楽しみにしていた子たちはたいそうがっかりしているだろうなと思う。申し訳なさでいっぱいだが、この辺の感情は非常にややこしくて、わたしが申し訳なく思ってもどうしようもない部分もあるし、でも休館して感染爆発は防ぎたいし、しかし展示は見てほしいし…というのが3つも4つも重なっているからややこしくて仕方がない。あまり考えないようにしていたが、1か月延長が決定したとなると話は別だ。展覧会を楽しみにしていた子たちのことが頭から離れない。

休館であるとはいえ、つぎの展覧会の準備も進めなければならず、仕事は普通にあるので出勤する。人気のない博物館は少々不気味だが、慣れれば逆に静けさが心地よく感じられる。もっとも、最近は妻とばかり話していたので職場で他の人としゃべる機会があるのはありがたい。何というか、同じ人とだけしゃべってたらマンネリ化じゃないけど、話題もだんだんなくなってくるからな。

自分の担当する展覧会は無事に開催できるのだろうか。通常だと夏休み期間に該当する7月8月を会期に設定しているのだが、世間的にはその辺まで学業を入れるとかいう話なので入館者数は伸びないだろうし、そもそもそれまでにコロナ騒動が収まっているのかも分からない。ワクチンとか薬の開発が進めばいいが、進まない可能性だってあるわけだし、まだまだ先が見えなくて嫌になる。嫌になるが仕事はしなきゃだし。何だろな、前にもまして愚痴しか出ないわ。

あまりにもあんまりだ

this.kiji.is

うーん…再開できるんかなほんとに…というのがすごく不安である。どんな小規模の館でも、入館者が殺到するのではないか。あれだけ「開いてますか?」という問い合わせがあったんだから、待ちかねたぞ!て感じで駆け込んでくる人多数だと思う。時間制限掛けて、人数制限を掛けてってやると開館前から並ぶだろうし、それこそドラッグストアと同じようなことになってしまう。

というか、特別展会期中で中止になったのを今更このように変更を出されても非常に困る。もう中止と決まってしまった以上変更はできないだろうが、来週あたりから問合せが職場に殺到するのではと危惧している。どうすんだよこれ、という気持ちでいっぱいだ。

上の方の判断を待つしか無いが、あまりにもあんまりだ。